本コンピュータ理工学科の山本 泰生助教,岩沼 宏治教授ならびに岩沼・山本研究室の福田 翔士さん (修士2年生) による論文が2014 ACM SIGMOD国際会議 (SIGMOD'14) に採択されました.
Yoshitaka Yamamoto, Koji Iwanuma and Shoshi Fukuda.
Resource-oriented Approximation for Frequent Itemset Mining from Bursty Data Streams.
Proceedings of the 2014 ACM SIGMOD International Conference on Management of Data (SIGMOD'14), 2014.
http://www.sigmod2014.org/research_list.shtml
SIGMOD国際会議はデータベース分野ならびにデータマイニング分野で最も権威のある会議 (トップ会議と呼ばれる) の一つです.発表論文は非常に厳しい国際競争と審査の上で決定されるもので,日本発の論文が発表されることは近年は非常に少なくなっています.その意味で,今回の論文採択はとても価値のあることと判断されます.
本論文は,ストリーミングデータに頻出するパターンを高速かつ省メモリで抽出するための近似アルゴリズムを扱っています.ストリーミング処理はビッグデータ時代のコア技術として近年急速に進展している研究分野です.その中でもストリーミングデータからパターンや特徴を抽出する技術は,データ駆動型の知識発見,予測や推定等の産業応用が期待されており,これまでにさまざまな研究がなされています.
この論文では,従来の手法では本質的に解決が難しいとされていた組み合わせ問題に対して,処理速度とメモリ消費を一定に保ちながら対処する「リソース指向型」の近似アルゴリズムを提案しています.論文の結果を用いることで,パターン抽出を行うストリーミング処理技術が飛躍的に向上することが期待されています.
用語解説:
- ACM: Association for Computing Machineryの略称.アメリカ合衆国をベースとしたコンピュータサイエンス分野の国際学会.1947年に設立され,現在,同分野に最も影響力を持つ学会とされる.
- SIGMOD: Special Interest Group on Management of Dataの略称.ACMの分科会の一つで,主に大規模データ処理やデータベースシステムに関連する最先端の技術を扱っている.